実践的 Igor メモ 2019

テキスト形式ファイルの読み込み

B3実験で出会うであろうテキスト形式のデータファイルは、 実験条件などを記述したいわば「前書き」の後に、数値データがカンマやタブで区切られて並べられている「区切りテキストファイル delimited text file」になっている。 このようなファイルには CHEMUSB4 で OceanView から「ASCII(with header data)」で保存 (あるいはSpectraSuiteから「タブ区切りテキスト」で保存)したスペクトルデータのように、 Igorのメニューから「Data」-「Load Waves」-「Load General Text」で読み込むことが可能なものもある。 しかしOceanView (あるいはSpectraSuite)のストリップチャートのファイル、 デジタルマルチメーター U1251A のデータロガーの作成する CSV(Comma Separated Values)形式のファイルのように、 自動的にどこから数値データか判別することが困難な場合には「Load General Text」で読み込むことは難しい。 Igor でこうしたファイルからデータを取り込むのに、表計算ソフト等でいったんファイルを読み込んでから、 コピペで Igor に取り込むことも考えられるが、 Igorのメニューから「Data」-「Load Waves」-「Load Waves」(キーボードのショートカットCtrl+L)を使用するのが簡単。

マルチメーター U1251A のデータロガーの作成する CSV 形式のファイルを読み込む場合には、 Igor のメニューから「Data」-「Load Waves」-「Load Waves」でポップアップ画面を開き、 ファイルタイプとして「Delimited Text」を選ぶ。 このまま読み込むと、たぶんデータがないとか怒られる。 読み込みの下準備にポップアップ画面の「Tweaks…」(微調整)をこづくと、 そこで「Line containing column labels」に 4 を、「First line containing data」に 5 を入れて「OK」をこづく (他の欄は触らなくてOK。Igorでは最初の行が1行目ではなく 0 行目として扱われることに注意)。 そうすればたぶん問題なくデータの読み込みが進むはず。 (ソフトのバージョンなどによっては「Line containing column labels」に 1、「First line containing data」に 2 を入れる必要がある)

CHEMUSB4 の OceanVew のストリップチャートのデータファイルの場合には、 まず Read wave names のチェックを外してから、「Tweaks…」の作業に入る (データファイルの書式に不備があり 、カラムの数を誤って設定してしまう)。 ヘッダーに分光器の情報が書き込まれたファイルとの場合には、 「First line containing data」に13 を入れて「Return」をこづく (他の欄は触らなくてOK。データファイルの書式に不備があり、PCの環境によっては 14 にする必要があるかもしれない)。 読み込むべきデータが表示されたら、最初の2つの時刻に関するカラムは読み込みをスキップしてよいだろう (wave 名入力欄で「Skip Column」ボタンをこづく。 この場合、後で「Data」-「Change Wave Scaling…」で時間間隔をセットするのを忘れないこと!)。 ヘッダーに分光器の情報が書き込まれていない単純なファイルの場合には「First line containing data」に 3 を入れて「Return」をこづくことになる (これもPCの環境によっては 4 にする必要があるかも)。

OceanVew の出力ファイルの改行コードに CR+LF と LF が混在しており(このため使用する環境・アプリによって表示が乱れる)、 カラムの名前の区切りにタブが 1 つ多い。 さらに決定的に問題なのは、注目している波長の情報が欠落している!!

なお CHEMUSB4 の SpectraSuite のストリップチャートのデータファイルの場合には同様にして (自動保存の場合には「Line containing column labels」に 4 を、「First line containing data」に 5 を指定。 ちなみに最初の列の「Date」は保存した時刻、「Elapsed Time」が経過時間に相当し、 最後の文字化けしている列は「吸光度(吸光度)」)、 データの読み込みを行えばよい。


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