ver 1.5 1991.5.6.
revised 2000.4.21.

最小二乗法の話 その1

―― いかにして、もっとも、もっともらしい直線を引くか? ――

0.問題の設定

2値データ (x, y) を考え、x を変化させて y の値を測ったとします。この時、次の仮定が満たされているものとしましょう。

LSMPIC

こうした時、得られた一連のデータ、 (x1, y1), (x2, y2), ・・・, (xN, yN) をグラフにプロットして、それらの点から得られる、もっとも、もっともらしい直線関係は、どういうものでしょう?またそれは、どれぐらいもっともらしいのでしょう?


1.なぜ「最小2乗」か?

一連のN個の観測値 (x1, y1), (x2, y2), ・・・, (xN, yN) に注目します。互いに独立で正規分布に従うのですから、このN個のデータが出現する確率 P[(x1, y1), ・・・, (xN, yN)] は次式で表現できます(以下、S は i = 1 から N までの総和を表わすものとします)。

LSMEQ02   (2)

だから、N 個のデータからもっとも、もっともらしいパラメーター、a0、a1 を決めるには、

LSMEQ03   (3)

を最小にするように、a0、a1 を取ればよいのです。つまり偏差の2乗を最小にすればよいわけで、この偏差の2乗の和を最小にするようにパラメーターを選んで、もっともらしい直線を引く方法を、最小2乗法(method of least squares)と呼びます。


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